MA（まーけてぃんぐおーとめーしょん）

MAとは、Marketing Automation（マーケティングオートメーション）の頭文字をとったものです。マーケティングとはモノやサービスを売るための仕組みのことで、オートメーションには自動化するという意味があります。一般的にMAというと、モノやサービスを売る流れを仕組み化することで、収益向上や業務効率化を目的として導入される手法です。

 

効率的なMAを実現するには、MAツールを導入する必要があります。MAツールとは、新規ユーザーや見込み客獲得へのマーケティングを自動化により一元管理し、効率化するツールのことです。基本的にMAはBtoBの活用方法で、BtoBとBtoCには、それぞれに適したMAツールの活用方法があります。BtoBとはBusiness　to Businessの略称で、企業から企業へ商談を通じてモノやサービスの提供を行う企業間取引のことです。一方、BtoCとはBusiness to Consumerの略称で、企業から個人（一般消費者）に対して行う取引のことです。BtoBはユーザーとなる企業が、購買意思決定するまでに時間を要します。会社への利益や、必要コストについて話し合い、最終的に上長が決定して購買活動へ到達するのが一般的な流れです。一方で、BtoCは個人との取引で、購買動機が直感的になることもあるため、見込み客育成から購買までの期間がBtoBより圧倒的に速いとされています。両者は収益の獲得形態も異なっており、BtoBは1件で大きな利益を得られる可能性が高いでしょう。対してBtoCでは1件1件の利益は大きくないので、複数のユーザーを得る必要があります。それぞれの取引形態に合わせたMAツールを活用することで、より効率の良いマーケティング活動を行うことができ、収益の増加につながります。

 

マーケティング活動の基本的な流れは、見込み客の獲得と見込み客の育成、購買意欲の高まっている見込み客の選定、営業への引き継ぎの4つに大きく分けられます。見込み客の育成とは、ユーザーの欲しい商品やサービスの情報を、適切なタイミングで提供することにより、信頼関係を築いたり購買意欲を高めたりすることです。MAを上手く活用すれば、見込み客のニーズに合わせた情報を提供し、動向をデータ化できます。

 

購買意欲の高まっている見込み客でも、意欲の度合は人によって異なります。購買意欲に差のあるユーザーに対し、同じようにアプローチをしても思ったように成果を上げることはできません。MAツールを用いて見込み客の選定をすれば、購買意欲のより高いユーザーに対し、効果的なアプローチを行えます。また、マーケティング部門から営業部門への引き継ぎは、情報がまとまっていないと時間を要する場合があります。MAを導入することで、ユーザーの動向を自動で数値化できるので、引き継ぎを円滑に進められます。さらに、ユーザーとの商談の段階に進んだときに、MAツールを導入していれば、今までのコミュニケーション履歴をまとめることが可能です。MA導入は自社の手間を省くだけでなく、ユーザーにとっても無駄な時間を使う必要がないため、双方にメリットがあるものといえます。

 

一連のマーケティング活動をMAツールではなく手作業で行うと、膨大な時間と労力を要します。見込み客が多い場合は、担当者に多大なストレスが掛かる可能性も考えられるでしょう。大量のユーザーデータを人が手作業で解析していくよりも、MAツールを活用することで、専門的な知識・技術を要する業務に時間を割けるようになります。また、単調な作業の繰り返しによるストレスを軽減することもでき、より業務効率を上げることが可能です。MAを導入すれば、無駄な人員を投じずにマーケティング活動を行えるので、ユーザーとの円滑な関係を築くための時間を取り分けられます。

 

一昔前は、消費者自らが情報を得る手段が少なく、TV・新聞・広告・電話など企業側が発信した情報を受け取る方法が一般的でした。ところが、現代はインターネットを使用した購買活動が当たり前の時代です。消費者自身で興味のある商品やサービスに関して検索を行い、自ら情報を得ることができるようになりました。そのため、現在ではメールやアプリ、SNSなどを活用した、情報社会ならではのMAツールを導入したマーケティング活動が行われています。

 

MAツールを活用することで、手作業では難しい細かいデータ分析が可能になります。見込み客の属性や行動履歴を管理して、サイトへの流入経路やサイト内でどのように行動したのかを分析できます。また、メールやアプリ通知の開封状況や、購買まで行きついた人の傾向なども分析し、効率良く必要な情報を集められるのが特徴です。新規ユーザーを獲得するよりも、MAで見込み客を育てる方がコストが掛かりません。そのため、MAツールを利用して既存客を調査することで、ユーザーに合った効率的なプロモーションを提供できます。