CTA(シーティーエー)
CTA(シーティーエー)とは「Call to Action」の略で、日本語では「行動喚起」を意味し、Webマーケティングにおいて、ユーザーに具体的な行動を促すための手法や要素を指します。CTAはサイトや広告の目的を達成し、コンバージョン(成果)を獲得するための重要な手段のひとつです。
CTAが重要視されている理由のひとつとして、Webサイトに訪れたユーザーの離脱を防げることがあげられます。Webサイトを見ていたユーザーが紹介されている商品やサービスに興味を持っても、購入ボタンなどのCTAの設置場所がわかりにくいと、具体的なアクションを起こしにくくなります。ユーザーは商品やサービスの購入などの目的を達成できないまま、ページから離脱してしまいます。
一方で、CTAの設置をマーケティングの目的に沿って適切に行うと、ユーザーは離脱する前に何らかの行動を起こしやすくなります。効果的なCTAは、サイトに訪れたユーザーに商品の購入やサービスの申し込み、問い合わせを行うなどの次のステップを明確に示します。マーケティングの成果につながる行動を取るきっかけを提供し、それによりリードや顧客に転換する確率を高めます。このように、CTAはWebマーケティングにおいてコンバージョン率を向上させる重要な役割を担っています。
CTAは、ウェブサイト、広告、ランディングページ、メールなどを見たユーザーに対して、スムーズに次のステップへと進むよう行動を促す役割があります。それぞれのマーケティング目的に応じて、適切なCTAを選択することが成功の鍵となります。たとえば、ECサイトでの「今すぐ購入する」や「カートに追加」は、ユーザーの購買意欲が高まった瞬間に、ユーザーに商品を購入するよう促す最も一般的なCTAです。
ほかにも、サブスクリプション型サービスでは、「無料トライアル」や「7日間無料で試す」といったCTAがよく利用されます。ユーザーにリスクを感じさせず、サービスを試してもらうための戦略的マーケティングにもとづくCTAです。BtoBマーケティングでは、ホワイトペーパーやカタログなどの資料ダウンロードを促すCTAがよく使われます。「資料をダウンロードする」「今すぐ無料ダウンロード」などが効果的です。メールマーケティングにおけるCTAは、商品ページへの誘導やニュースレター、メンバーシップサイトへの登録を促すことが目的です。「メールマガジンを登録する」「今すぐ無料で会員登録」などのフレーズで促し、登録することで関連情報を受け取れるメリットを訴求します。
リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告におけるCTAは、広告マーケティングの成功を決定づける要素です。「今すぐ購入」や「詳細を見る」といった具体的な行動を促すCTAでユーザーの興味を引き、広告からランディングページへ誘導します。CTAは、ソーシャルメディアマーケティングにおいても重要な役割を果たします。いいね!やフォロー、シェアやコメントなどのCTAはユーザーとのインタラクションを促進し、ブランドの認知度向上に貢献します。これらのCTAは、ユーザーに対して次に取る行動をわかりやすく案内することで、企業が設定したマーケティングのゴールに向かって動くように働きかけます。
CTAは視覚的にも目立つことが非常に重要です。ボタンのデザイン、色、配置はユーザーがすぐに気づき、思わずクリックしたくなる工夫が必要になります。たとえば、Webサイトのメインカラーやほかのバナーとは異なる色を使う、CTAボタンの周りに影や立体感を付けたり、空白を設けて目立たせる、などの方法があります。CTAのテキストは、簡潔で明確に伝わるものにする必要があります。クリック後に起こることを明確に示し、ユーザーにとって次に取るべき行動がひと目でわかるようにします。また、「限定オファーを手に入れる」「今だけ」「残りわずか」といった言葉は緊急性や希少性を感じさせて、ユーザーがすぐに行動を起こす動機となり、コンバージョン率を高めてマーケティングの目標を達成する助けになります。
ボタンだけでなく、マイクロコピーを組み合わせるのも効果的な方法のひとつです。マイクロコピーとは、CTAボタンの近くに配置される短い文言のことを指します。CTAボタンを単体で配置するよりも、簡単にアクションが終了することを示した文言や、ユーザーの心理的なハードルを軽減する文言を組み合わせることによって、クリック率が向上します。たとえば、「1分で登録完了!」や「会員登録せずにすぐ無料ダウンロードできます!」といったマイクロコピーを配置します。一般的に会員登録は、「時間がかかって面倒そう」と思っているユーザーが多いため、「時間はかからない」といったことが伝わると、ユーザーはハードルの高さを感じにくくなり、行動に移しやすくなります。
CTAを設置する場合、選択肢の数は少なくすることが大切です。たとえば、1ページのなかに「会員登録」や「資料請求」、「お問い合わせ」といった異なるCTAがいくつも配置されていると、選択肢が多いことからユーザーが行動をためらってしまう可能性があります。また、導線がわかりにくくなり、コンバージョンまでたどり着けなくなる恐れもあります。あらかじめ優先順位を明確にしておき、コンバージョンに結び付けたい重要なCTAを目立たせるようにします。
CTAのマーケティング効果を最大化するためには、継続的な最適化が欠かせません。ボタンの色やテキストの異なるCTAでA/Bテストを行うと、どちらがより多くのコンバージョンを得られるかを比較することができます。CTAの配置場所も重要です。CTAはユーザーに行動を取りやすくさせる必要があり、ユーザーがページを読む際にストレスとならない位置に設置する必要があります。効果的なCTAを設計するためには、ユーザーの心理や行動を理解し、ユーザーのモチベーションを高めるような明確で魅力的な文言でメッセージを伝えることが大切になります。
テストを繰り返し、データにもとづいてCTAを改善していくことでより効果的なマーケティング戦略の構築が可能です。CTAは、Webマーケティングにおいて非常に重要な要素であり、適切に活用することでクリック率やコンバージョンが向上し、ユーザーに具体的な行動を促す役割を果たします。