スニペット(すにぺっと)

スニペットは、Web業界ではSEO(検索エンジン最適化)において使われる用語です。英語では「切れ端」「断片」という意味を持ち、SEOではGoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索をした際に、タイトルの下部に表示されるサイトの要約文のことをスニペットと呼びます。スニペットはデバイスにより異なりますが、通常70~120文字程度の文字数で表示され、ユーザーが求める情報がそのWebサイトにあるかを判断する大きな指標になります。スニペットは直接的なSEO効果はありませんが、スニペットがよりユーザーの検索意図に合った内容であればサイト流入数の向上が見込めます。そのためスニペットに表示される内容を適正化することは結果的にSEO対策としても有効な施策といえます。
スニペットはメタディスクリプションという項目で設定が可能です。メタディスクリプションを設定していない場合には検索エンジンが自動的にサイト内から情報を組み合わせてスニペットを表示させます。検索エンジンによって自動生成された内容はユーザーの検索意図に合っていない場合があり、クリック率が上がらない可能性があります。その結果SEOにおける評価も落ちてしまう恐れがあるため、自社で設定しておくことが大切です。設定方法はサイト内のHTMLを直接編集して設定するほか、使用しているCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)によっては、サイトの管理画面内やプラグインを使用し設定できる場合もあります。メタディスクリプションを設定することでの直接的なSEO効果はありませんが、ユーザーのクリック率が上がることで間接的にSEOにおける評価も向上する可能性があるため、SEO対策としても有効な要素になります。なお、メタディスクリプションで設定した内容を検索エンジンが適正ではないと判断した場合は自動生成された内容が表示されてしまいます。そのためただ設定するだけではなく、ユーザーの検索意図に合わせた内容を設定するよう注意が必要です。
スニペットはテキストで表示される要約文のほか、画像や商品の価格・レビューなどが表示される「リッチリザルト」という種類があります。リッチリザルトは以前はリッチスニペットやリッチカードと呼ばれていましたが、現在はリッチリザルトという名称で統一されています。リッチリザルトが表示されれば、よりユーザーの目にとまりやすくなります。たとえば、商品をインターネットで検索する際、商品の特徴をテキストだけで読むよりも、商品画像を見る方がその商品をイメージしやすくなります。インターネットの検索結果に表示されるだけでユーザーの記憶に残りやすくもなるためブランディング効果もあり、さらにはコンバージョン率向上にもつながる可能性が高まります。
スニペットがリッチリザルトで表示されるかは検索エンジンのアルゴリズムによりますが、表示される確率を上げるためには、Webサイトの構造化データのマークアップ設定が有効です。構造化データのマークアップとは、Webサイト内に記載されている情報を検索エンジンに認識させるための設定のことを指します。検索エンジンはWebサイトに記載された内容そのままでは正しく情報を認識できない可能性があるため、たとえば商品画像・価格・評価などがサイト内のどの部分にあたるかという情報を設定しておく必要があります。設定方法はいくつかあり、ひとつは自分で直接Webサイト内のHTMLを編集する方法です。検索エンジンのガイドラインに沿って編集する必要があり、自社で設定するにはHTMLの知識やリソースが必要になりますが、Googleが提供しているツールを使って簡単に設定する方法もあります。「構造化データ マークアップ支援ツール」というツールでは、必要な項目を設定することでツール側でHTMLコードを作成してくれるため、そのコードをコピーして使用することが可能です。またGoogle Search Console内で利用できる「データハイライター」という機能を使用し、HTMLを編集することなく設定する方法もあります。また使用しているCMSによっては、管理画面内での設定やプラグインを利用することで設定できる可能性もあるため、自社に合った方法の選択が可能です。
スニペットにはほかに「強調スニペット」という種類もあります。強調スニペットとはインターネットの検索画面最上部に表示される、検索キーワードに対しての回答や情報が簡潔に表示される内容のことを指します。強調スニペットは検索エンジンによって、ユーザーに最適と判断されたWebサイトから情報の抜粋や重要項目を太字表記にした状態で表示されます。検索内容によっては文章での説明だけではなく、画像や動画、リスト表示や料金表などが強調スニペットとして表示される場合もあります。強調スニペットを意図的に表示させることはできませんが、より可能性を上げるためには検索エンジンがWebサイト内の情報を正確に判断できる状態にすることが重要です。たとえば、Webサイトのタイトルや見出しの適正化を図る、見出しの直下に回答内容を簡潔に記載しておくといった方法が有効です。SEO対策と同じように、ユーザーの検索意図に合わせた質の良いコンテンツ作成をすることが強調スニペットを表示させることにもつながります。
強調スニペットはインターネットでの検索結果が1位でない場合でも表示される可能性があります。強調スニペットが表示されることによりサイトへの流入が増えれば、SEOでの評価向上も見込めます。一方、ユーザーが強調スニペットの内容だけで満足してしまい、Webサイト閲覧までに至らない可能性があるため、結果的にクリック率が下がってしまうというSEOにおけるデメリットも強調スニペットには存在します。クリックするかどうかは検索キーワードに対するユーザーの興味関心の深さも関係してくるため、完全にはコントロールできない部分といえます。そのためサイト流入の見込みが高い、より深い情報を希望しているユーザーに向けて、コンテンツの質の向上を図ることもSEO対策として欠かせません。スニペットの表示は直接SEOに影響するものではありませんが、スニペット表示のために試行錯誤することでコンテンツの質が上がるため、スニペットは結果的にSEO対策としても重要な項目になるといえます。