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Web用語辞典

ABテスト(えーびーてすと)

ABテストとは、異なるふたつ以上のパターンを比較して効果が大きい施策を見い出し採用する手法をいいます。主に、Webマーケティングの領域で多く使われている手法です。Webマーケティングにおいて、ユーザーが何を望んでいるのかをしっかりと掴めていなければ集客や利益の向上は望めません。そのため、LP(ランディングページ)やWebサイト、メールマガジンやアプリなどのコンテンツを常に最適化していく必要があります。LP(ランディングページ)の離脱率が高い原因を掴みたい、ユーザーに申し込み、資料請求、会員登録ボタンのクリックといった狙い通りのアクションを起こしてもらえる確率を上げたいといった場合、マーケティング戦略に有用な施策を見つけ出す手法のひとつがABテストです。感覚や経験に頼ってやみくもにテストを行うのではなく、特定の箇所のみを条件変更して行う手法であるため、マーケティング戦略における有用性の高いデータが得られるのがABテストの特徴です。なお、ABテストという名前ではありますが、3パターン以上のテストを行うこともあります。
 
たとえば、商品ページに掲載する写真を"商品のみの写真"と"商品を使用する人物の写真"の2パターン準備し、ランダムに表示させることでどちらの写真を使用した商品ページの購入率がより高いかを比較するといったテストを行うことがABテストです。ほかにも、ABテストを実施する主なデジタル・マーケティング要素として、見出しやメールの件名、ソーシャルメディアのボタン、ロゴなどがあります。政治家が選挙活動の一環として、より多くの支持者獲得を目指し自身のWebサイトでABテストを実施したことも有名な使用例としてあげられます。支援者のメール会員登録率が高いパターンを見出すため、トップページのメインビジュアルを数パターン用意するなどのABテストを行いました。
 
ABテストには、「逐次テスト」と「並行テスト」の2パターンがあります。「逐次テスト」とは、ひとつのパターンを一定期間テストしたのち、別のパターンを一定期間試すABテストです。パターンごとに期間を分けてABテストを行うため、ユーザーにパターンをランダム表示させるシステムの実装などが不要となり、手軽にABテストを実施できることがメリットです。しかし、テストを実施する期間がパターンごとに変わってしまうため、並行テストと比べると信頼性は劣ります。対して「並行テスト」とは、複数のパターンをユーザーにランダムに振り分けて同時期に比較するABテストです。同じ期間に変更条件以外の条件をそろえた状態でABテストを行うため、信頼性があります。しかし、ユーザーに対して複数パターンのテストをランダムに表示するシステムの実装が必要となるため、逐次テストと比べると手間やコストがかかる場合があります。
 
ABテストの手順としては、まず特定の要素のみを変更したAパターン、Bパターンを作成します。重要な点は、比較したいテスト箇所のみを変更し、そのほかの条件を揃えることです。比較したい箇所のみを変更することによって、ABテストの効果をより正確に確認することができます。次に、Aパターン、Bパターンをコンテンツ上にランダムに表示させ、一定期間ユーザーの反応を検証します。Aパターン、Bパターンそれぞれで得られた成果を比較し、どちらのパターンの方がより有用性が高かったかを比較し、よりよい成果を得たパターンを実装します。ABテストを繰り返すことでサービスを最適化し、有効なマーケティング戦略を展開することができます。
 
ABテストのメリットは、何をどう変更するとマーケティングに有効な成果を得られるのかが正確に掴み取れる点です。やみくもにサービスを改善しても、何を変更した際にどのような効果が発揮されたのかを掴み取ることはできません。ABテストは、特定の箇所のみを条件変更し、そのほかの条件を揃える形でテストを行うため、効果のあった改善点を具体的に把握することができます。ABテストの結果からより効果があったパターンを採用し続けていくと、確実な検証結果を得ることができ、マーケティング戦略に見合ったよいサービスにつなげることができます。特定の箇所のみを条件変更してABテストを繰り返すという特性上、低いコストでスピーディにテストを繰り返すことができます。そのため、個人でも比較的手軽に実施できるマーケティング施策といえます。
 
ABテストで有用性を高めるためには、一定以上のサンプル数が必要となります。サイトのPV数やユーザー利用者数が少なすぎると、効果を検証するための時間がかかってしまいます。1度に検証するテストパターンを細かく用意しすぎることも、サンプル数がばらけてしまうため有用性に欠ける要因となります。また、ABテストは特定の箇所のみをテストするものであることから、局所的な施策に没頭しがちになる点も注意すべきといえます。物事の細部に気を取られてしまうと、マーケティングの全体像を見失ってしまいます。たとえば、LP(ランディングページ)に設置する"購入ボタン"の色をテストすることに没頭してしまい、マーケティング戦略においてより重要な集客が疎かになるようなことがあっては本末転倒です。視野を広く持って全体を把握した上で、マーケティング戦略においてABテストを行う意義が大きい点を見極めて実施することが非常に大切となります。検証結果の判断を誤ると、逆にABテストの効果が落ちることもあります。独断的なサンプリングであったり、1度に複数個所をテストすることで効果を発揮したテスト箇所を見誤ったりすると正確な検証結果は得られません。マーケティング戦略の本質を理解してしっかりと仮説を立てたうえで的確にテスト箇所を選定し、正確な検証結果を読み取ることが大切です。
 
ABテストは、Webマーケティングにおいて非常に効果的な手法です。正しくABテストを実施してPDCAを回すことで、ユーザーにとって最適化されたコンテンツを目指すための確実な改善点を見い出すことができます。マーケティング戦略の全体像をしっかりと把握し、正しい仮説を立て、ABテストを繰り返すことができれば、よいコンテンツづくりが実現します。

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