なっつの木
当社は渋谷区内の小学生を対象に、アートを通じた放課後の居場所支援活動を行っております。
小学生なら学年も性別も関係なく、絵や工作が好きな子どもなら誰でも参加することができます。
現在は平日の放課後と、月に1回休日に開催しています。


活動のきっかけ
誰もが安心して
すごせる居場所を 提供したい
2人の子どもと猫とにぎやかに暮らしているシングルマザーです。元気すぎるぐらいの子どもたちですが、小さい頃に予期せぬ病気で数年間に渡り闘病生活を送っていました。痛みを伴う治療や予期せぬ入退院を繰り返していたので、そばで見守る私の方が憔悴しきっていました。
この気持ちを吐き出したところで果たして受け止めてくれる人はいるのだろうか?と思うと、誰にも相談できず、また相談できるところを調べる知識も手段もありませんでした。今思い返せばもっとできることはあったと思いますが、当時は「子どもたちを治してあげたい」その一心で医療のことばかり調べていました。私自身が生きづらさや育てにくさ、何より孤独を経験したのをきっかけに、家でも学校でもない、誰もが安心してすごせる第3の居場所が必要だと思い、なっつの木を立ち上げました。
学校でも塾でもない、
企業や地域、人の力で生み出す 第3の居場所
渋谷区は世帯年収が高い地域のひとつであるため、比較的経済的に余裕のある家庭が多いと考えられます。教育にかけられるお金も多いことから、放課後は習い事にいく子どもが多く見られます。帰宅しても食べるものが何もないといった危機的状況は少ないのではないでしょうか。
その一方で地域によっては共働きの家庭も多いため、親の仕事の都合などで家にいる時間が長いケースがあります。ときには、子どもだけで作り置きしてある晩御飯を食べることもあるでしょう。近年においては、スマートフォンやタブレットの普及によりゲームやSNSの利用が増え、リアルなコミュニケーションの機会が減っていることも、地域コミュニティの衰退や孤立感を助長する原因となっています。
周囲の要因は関係なく、学校やそれ以外の場も含めて、自分に合った居場所がないと感じている子どももいます。居場所がない子どもは、不安や孤独感を抱えがちで、それがストレスになっていることもあります。どんなに設備が整っている学校でも、どんなに美味しい給食を出している学校でも、子どもにとって居心地が良くなければ、それは居場所とはいえないのです。
そこで必要になるのが、学校でも塾でもない、企業や地域、人の力で生み出す第3の居場所です。当社の居場所支援活動は、子どもにとって安心できる場所を構築し、アートを通じてコミュニケーション能力や社会性を養うことが重要な目的となります。もちろん、すべての子どもたちにマッチングするとは考えていません。身体を動かすのが好きな子、勉強が得意な子、大勢の人と一緒にいるのが好きな子、ひとりひとり違って当然なのです。そのなかで、「楽しい」「毎日行きたい」と遊びに来てくれる子どもたちとの出会いを大切にしています。
なっつの木とは

アートでつながる
子どもの居場所を支援する
なっつの木は、当社が設立される前、2017年より子どもたちの第3の居場所づくりとして活動を続けてきました。これまでに学習支援、ワークショップ、オンラインとさまざまな形で開催してまいりました。3人の参加者からはじまったなっつの木は、回を重ねるごとに参加者が増えていき、コロナ禍になる前はボランティアスタッフを含めて60人以上で活動をしていました。
そしてコロナ禍により、なっつの木の活動は難しくなりました。オンラインでワークショップを開催したこともありましたが、少人数でも子どもたちの顔をみながら活動できないか模索するきっかけになりました。2022年より渋谷区初台・本町で小学生を対象にアート教室を開催しています。地域の個性豊かな子ども達がアートを通して、空間認知能力を身に付けるとともに、異年齢や大人との関わりが築ける居場所づくりをしています。
なっつの木は、子どもたちがアートを通じて新しい体験や創造性を育て、自己表現や自己肯定感を高めることを目的としたアートでつながる子どもの居場所支援です。子どもたちにとって安心できる場所を提供し、異年齢交流や社会性を養うことを大切にしています。



活動内容
小学生を対象にした
鉛筆デッサンなっつの木では、5〜6人の少人数制で鉛筆デッサンをしています。初台・本町を中心に渋谷区内の小学生が集まります。学年も住んでいるところも通っている学校もさまざまです。鉛筆と消しゴム、スケッチブックがあればはじめられる鉛筆デッサンは、自分の創造力を発揮し、表現力の向上につながります。はじめは緊張していた子どもたちも回を重ねるごとにみんな仲良しに♪他校のお友達ができるのは嬉しいですよね。なっつの木の活動が終わっても、近所で会ったらあいさつできる仲になるのが代表のひそかな目標です。

デッサンを通してたくさんの
ことを学べます身近な物をデッサンすることで、子どもは周囲の物事や風景を詳細に観察できます。観察力が向上することで、これまでは気づかなかったこと、より細かいことに気づくようになります。鉛筆デッサンは、細かい線を描くことが多いです。集中して見て描くことで、手先の細かい動きや力調整が可能になるほか、忍耐力と集中力を養うことができます。デッサンには3次元の立体空間を2次元の平面に描写する技術が必要であり、たくさん描くことで自然と空間認識能力が向上します。このように鉛筆デッサンを習うことで、子どもは創造力や表現力、観察力、集中力、手先の器用さ、脳の発達など、多くのメリットをもたらします。

難しいことをたくさん書きましたが、なっつの木の1番の魅力は、ひとつのモチーフを子どもたちで描く楽しさでしょう。輪になったり横に並んで描くこともありますが、ひとりひとりのいる位置から見たモチーフは同じようには見えません。光や影の位置、濃い薄い、違うところはいっぱいあるのです。なっつの木では、ひとつひとつの違いを楽しみながら描いています。ゲームやスマートフォンといったデジタルと、手描きのアナログ作業はまったく別物です。鉛筆だから色鉛筆や絵の具は使わず、白黒でモチーフの色を表現していきます。いつもと違う脳の使い方をするので、終わる頃にはくたくたになってしまうことも…。でもそれは嫌な疲労感ではなく、夜ぐっすり眠れるような良い疲労感ではないでしょうか。お友達の絵をほめたり、描き終わったことに喜びを感じたり、絵を通じてコミュニケーションが生まれていくのを見るのが代表の楽しみでもあります。ひとりでも多くの子どもの居場所になるよう、これからも地域に根付いた活動をしてまいります。
詳しい活動内容や
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