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Web用語辞典

データドリブン(でーたどりぶん)

データドリブンとは、収集・蓄積されたデータを分析・解析し、結果に基づいて企業における経営戦略や方針などの意思決定を行うための手法のことです。データドリブンの語源は英語の「data driven」で「driven」は「drive」の過去分詞形です。日本語では「データ駆動」と翻訳されています。また、データドリブンの対義語とされているのが、「KKD」です。KKDとは「勘」「経験」「度胸」の頭文字をとったもので、データではなく長年の経験や感覚に基づいて行う意思決定を指します。
 
マーケティングの分野で最初に活用されるようになったといわれているデータドリブンですが、マーケティング活動におけるデジタルテクノロジー化が進み、とくに近年では消費者の購買行動がオンラインに移行し多様化しています。商品を認知させる手段がテレビからオンライン広告やSNSに変わりました。商品がデジタルのプロダクトやサービス、コンテンツになることでユーザーの行動をデータで追えるようになり、マーケティング活動の効果を数値で確認できるようになりました。そこで、マーケティングの行動をデータ化し、マーケティング戦略に活かそうというのが「データドリブンマーケティング」です。マーケティングでは、KGI(重要目標達成指標)をもとにKPI(重要業績評価指標)を設定することで、より具体的な中間目標を立てながらデータドリブンマーケティングに活かすことが基本となります。デジタルマーケティングのなかでも、とくにWebマーケティングにおいてはKGIとKPIを設定しやすい環境にあるため、Webマーケティング業界やIT企業では積極的に活用してマーケティングを行っています。
 
マーケティング分野に限らず、会社組織全体にもデータドリブンを活かし経営目的を実現しようとするのが「データドリブン経営」です。データドリブン経営を実現するにはデータマネジメントが不可欠です。PDCAサイクルでデータを利活用するわけですが、そのためにはデータのライフサイクルを管理してデータの品質を維持向上させるデータマネジメントが重要となります。資産としてのデータをどうマネジメントしていくかということが、経営においての大きな課題となっています。マーケティングテクノロジーの歴史をしっかりたどってきた企業はデータ環境を整備すれば移行しやすいのですが、これからという企業はデータを収集する設計からはじめないといけないのでコストがかかる可能性があります。データドリブンの特徴としては、意思決定や戦略の策定においてデータが主要な基盤となります。また、データドリブンではアイデアや仮説をデータで検証しますので、仮説が実証された手段や方法を採用する傾向となります。データのモニタリングや評価を通じて、手段や方法を継続的に改善していくデータドリブン文化が根付きます。
 
データドリブンのメリットは、データから得られる客観的な情報に基づいて意思決定を行うことで、より正確で合理的な結論を導くことができます。経験や感覚だけでなく、データの裏付けにより判断が可能となります。データドリブンは、データ分析を活用することで会社組織やプロジェクトの戦略を最適化できます。また、市場傾向や顧客の行動パターンを把握し、効果的な戦略の策定が可能となります。データドリブンは、データに基づいた洞察を得ることで業務プロセスの改善や最適化が可能となるため、業務の効率化が期待できます。データドリブンは、顧客の行動や評価に基づいたデータ分析を通じて製品やサービスの改善ができます。これにより、マーケティング活動では顧客満足度が向上し売上に大きく貢献することが期待できます。データドリブンのデータに基づく戦略的な判断は、競争環境での優位性の確保に役立ちます。市場の変化に柔軟に対応し、競合他社よりも先に行動することが可能となります。データドリブン文化では、データやその分析結果が関係者に対して透明かつ可視性が高い状態を保つことができます。
 
一方、データドリブンのデメリットは、データが不正確・不完全である場合、データドリブンは誤った判断、予測となる可能性があります。データドリブンで大量のデータを取り扱う際にはプライバシーの問題が発生する可能性があります。データドリブンは、完全にデータに依存することでデータに基づく意思決定が過度に強調されると、専門家や経験豊富な人々の意見が軽視される可能性が出てきますので、状況に応じた柔軟な対応が難しくなります。また、データドリブンのデータは過去の情報に基づいているため、将来の未知の要因や変化に対処するのが難しいことがあります。データドリブンは、多くのデータや複雑なモデルを利用することで分析や意思決定が過度に複雑化され、理解しづらくなることがあります。
 
データドリブンの導入により、組織のなかでは勘や経験のない若い世代の人材も多くの経験を持つベテランの人材と同じような業績を上げることができます。ですが、KKD文化も大切です。データドリブンとKKDのバランスをうまく保ちながら、個人各々がお互いを頼りすぎず自立して業務を遂行できる社内環境を整えることが重要です。

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